店のこと

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「 ようこそ ティルナノーグへ
ふとしたきっかけで納屋の改装をはじめて数年・・・。
ほっとできる静かな空間がようやくできあがりました。 」

こんなふうにはじまる ご案内のはがきを家のパソコンで作って
知り合いに配ってひっそり始めた店も はやいもので もうすぐまる7年。
当時小学生だった下の娘が高校卒業までは続けようと夫婦ではなしていたけど
その娘も もうすぐ高校3年生。

ティルナノーグは 祖父が亡くなって空き家になっていた児島の母の実家の納屋を
主人がこつこつ増改築してつくった 小さなレストランです。
野菜中心の創作料理のコースを 月がわりで 週末だけやってます。

実家が料理屋で 父から
「食べることは365日 おいしい食事は家族をしあわせにする」
と言われて育ちました。
当時は 耳にタコができると 少々うるさかった父の言葉ですが
家庭をもち 子どもを育てていく中で 料理は愛情だという実感とともに
たびたび思いだすようになりました。

食べる人のからだのこと、喜ぶ顔を思いうかべながら 手間ひまかける。
愛情こめてつくった食事は 心にも栄養がいくんだなと思うし
楽しい食卓を囲むと すごく元気になれる。

お店の料理は もっときばって おしゃれして でも 考え方は おんなじで
お客様の顔を思いうかべながら 一生懸命準備する 我家流おもてなし料理。

舌先だけでなく からだの細胞のすみずみや 心の中に
しみじみ じんわり しみわたるような食事。

そんな料理をつくりたいと切に願いながら 台所にたっています。    2011年1月

    *           *          *


2020年8月追記
ティルナノーグを始めてから16年と4ヵ月、
上の文章を書いてからは10年近くが過ぎました。

10年のうちにすこしずついろんなことが変化して、
今はレストランとして料理を提供するのはやめて、倶楽部にきてくださった方たちと
一緒に料理をして食卓を囲むことが中心になっています。

それともうひとつ大きな変化は、となりの母屋がカフェになったこと。
ティルナノーグをつくった時ほど若くはない主人が屋根裏で眠ってたものやら
庭の隅につみあげてあった石やらを使ってコツコツ作った空間は
赤い扉のティルナノーグとおんなじくらい大好きな場所になりました。

ここで珈琲やお菓子でゆったりとした時間を過ごしてもらったり、
ワークシヨップやお話会や音楽会をひらいたり・・・etc.

形が変わっていっても、私たち夫婦が16年以上経った今もここでしたいことは
変わらないのだなあと、あらためて思います。

ずっと変わらないいちばんの願いは、

「ここに来てくださった方が 食事と時間を
ゆっくり楽しんで豊かな気持ちになれますように
明日の元気になりますように 」       2014年4月、ご案内のハガキのむすびより

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